南天の実

懐石料理というのは、お茶の席でお茶を頂く前に出される食事のことを指します。

考案したのは千利休ということなので、比較的早い時期からこうしたスタイルが確立していったわけですね。

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どんなスタイルをした料理なの?

会席料理は、お茶をおいしくいただくためのものなので、豪華な山海の珍味ではなく軽い食事が基本です。

禅寺で石を懐に入れて空腹をしのいだことから生まれた言葉と言われています。

お茶が日本に伝わったのは鎌倉時代、僧栄西が新しい茶種と新しい飲み方である抹茶法を持ち帰り、「喫茶養生記」を著して知識を広く伝えたことがきっかけと言われています。

「茶は養生の仙薬なり、延命の妙術なり」という記述で始まることからわかるように、お茶は嗜好品ではなく「薬」という位置づけで、禅宗とセットになっていたわけですね。

本願寺三世覚如の伝記を描いた絵巻物「慕帰絵詞」では、当時のお茶会の様子が描かれていますが、お茶と食事を楽しむ様子が描かれています。

でも、このころはまだ、お茶が出てくるのは食事の前か後か特に決まっていなかったみたいですよ。

お茶の前に頂くと定まったのは千利休からで、客人をもてなす点前作法の一部として確立したようです。

全てはお茶をおいしく楽しむためで、空腹を避け、お茶の味を損なわないために「軽い食事」ということになっているようです。

こうした目的から、初期のころはお茶の席の亭主自らの手料理でもてなすという側面もあったようです。

お茶の心から生まれた懐石料理

こうした懐石料理の精神に沿っているみたいで、山海の豪華な珍味がそろうというより、季節感を重視するメニュー内容が多いみたいです。

千利休は茶道の心得として「四規七則」を説いているのですが、これがちょっと参考になるんですよ。

和敬静寂(わけいせいじゃく)の精神を表す四規

和 お互い仲よくすること
敬 お互い敬い合うこと
清 心の清らかさのこと
寂 どんなときにも動じない心

接客の心得 七則

茶は服のよきように点て
炭は湯の沸くように置き 
冬は暖かく夏は涼しく
花はのにあるように入れ
刻限は早めに
降らずとも雨具の用意
相客に心せよ

お茶をいただく人が喜ぶように、心を込める本質となることを見極めることが大切なこととしています。

茶は服のよきように点て── の言葉には、お茶をおいしく味わってもらうことはもちろん、亭主のもてなす心も客人に味わってもらうことが大切で、亭主と客が一体感を持つことを表しています。

いのちを尊び、心にゆとりをもち、やわらかい心を持って、互いに尊重し合う ── これもすべて相手をもてなすために大切なことです。

特に季節感はそのときにしかないものですから、一期一会を大切にするお茶の世界にとって、最上のおもてなしということになります。

おせち料理も、旬の食材を使い、素材の持ち味をいかし、心配りをもって調理するという懐石料理の三大原則にのっとって提供されています。