冬の景色 冬枯れの木

お正月は一年の始まり。さまざまな風習が伝えられていますが、それはすべて年神様(としがみさま)を家にお迎えして祝う大切な行事がもとになっています。

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ところで、年神様って何?

「お正月様」とも「歳徳神」(とくとくじん)とも呼ばれ、御先祖様の集団霊とも言える存在です。お正月になると高い山から降りてくる神様です。

お盆に帰ってくる御先祖様と違う点は、「おまつりが済んでいる」というところ。なので、村や町を守る山の神様や田の神様といった集合体として存在しているわけです。

年神様を迎えるお正月は、古来から伝わる「御霊(みたま)まつり」の風習で、年神様をお迎えしてお祝いすることで、いろいろな幸を授かる大切な行事なのです。

年越しの諸行事 「正月事始め」から「おせち料理作り」まで

12月8日 こと納め(正月事始め)

12月8日は「こと納め」。農業に関わるいろいろな仕事を終える日です。一方で、年神様を迎える正月行事はこの日から始まります。

(ちなみに、正月行事が終わって日常のことが始まるのは2月8日です)

この日、西日本を中心に針供養が行われます。一年の労をねぎらい、道具に感謝することで技術の上達を願う行事です。

この時期、「納めの○○」と呼ばれる、その年最後の縁日が各所の神社で行われます。一年間のご加護を感謝し、新しい一年に向けて祈願をする行事です。

例)納めの薬師(12月8日)、納めの観音(12月18日)、終い弘法(12月21日)、納めの地蔵(12月24日)、終い天神(12月25日)、納めの不動(12月28日)など

境内には「歳の市」がたち、新年の飾り物や正月用品が売られました。

12月13日 暮れの大掃除

農作業を中心とする生活では12月8日の「こと納め」からお正月準備が始まりますが、江戸の町では12月13日からお正月様のお迎えの準備を始めました。

この日は婚礼以外は万事に大吉日とされる鬼宿日(きしゅくにち)に当たるため、江戸城ではこの日を「御煤納め」としたことが始まりです。これが町家にも広まって、12月13日を「正月事始め」とするようになります。

お正月様をお迎えするための準備で、神棚や仏壇を中心に一年の汚れを落とすすす払いが行われます。1年の汚れを隅々まできれいにすることで、年神様からたくさんの御利益を得られると信じられたことから、すす払いから家中をきれいにする大掃除へと変わっていきました。

また、この日は、門松にする松や、おせち料理のための薪などを採りに行く「松迎え」の日でもあります。

12月21日~22日ごろ 冬至

昼の時間が一年でもっとも短くなり、夜がもっとも長くなる日が冬至です。

この日から夏至に向けて日の光が徐々に力を増していくことから、洋の東西を問わず大切な区切りとなりました。古代中国では冬至から新年が始まり、西洋では冬至祭を起源とするクリスマスが生まれました。

日本では冬至に新嘗祭(にいなめさい)が年迎えの行事として行われていたのですが、明治時代、旧暦から新暦に移す際に、旧暦の11月をそのまま新暦に移したので、現在は11月に新嘗祭が行われています。

一方で、旧暦では必ず11月に設定されていた冬至が、新暦では12月になってしまったので、両者の関連はすっかりイメージが薄くなってしまいました…。

ただ現在でも、冬至の風習として無病息災を祈って柚子湯に入り、カボチャを食べたり小豆のおかゆを食べる習慣が残っています。

1月25~26日、1月30日 餅つき

お正月様の依り代となる鏡餅、お下げしたあと雑煮に使ったお供えの角餅や丸餅 ── お正月様から御利益を授かるために、年末のお餅の準備は大切なことでした。

餅つきは「苦」につながる29日を避けて行われます。

12月28日 正月飾り

28日の「八」は末広がりで縁起がいい日とされていました。

この日に、玄関に神様を迎え入れるための依代(よりしろ)となる門松を立て、清らかな聖域を示す「しめ縄飾り」をして、家に迎え入れたお正月さまの依代となる「鏡餅」を供えます。

ただし、29日は「苦」に通じるということで避けられます。31日も葬儀に通じる「一夜飾り」といって縁起がよくないとされることから、遅くても30日には飾り付けを済ませます。

12月28日 おせち料理作り

あく抜きをしたり、塩抜きをしたり、おせち作りは下準備や下処理が大変なもの。煮物もそれぞれ時間がかかります。

現在は冷蔵庫があるので便利ですが、おせち料理を手づくりする場合、この日から準備をして作り始めていたようです。

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